どういう字を書くのかなと思って見ていました。最初はすごいなと思っていましたが、見ていくうちに違和感を感じてきました。何故だろうかと思って書き順を見ると、書き順が目茶苦茶です。「とめ」「はね」「はらい」などの筆の運び方も全く出来ていません。要するにお絵書き感覚で文字を書いているのです。
わたしは1年だけではありますが、習字を習ったことがあります。1年しか習ってないので当然基本しか学ぶことは出来ませんでしたが、そのおかげで毛筆だけは何とか見れるようになりました。習字を習うと書き順の重要性がよく分かります。
みなさんは相田みつをさんのことをご存じでしょうか。相田さんの作品は一見自己流のように思えますが、相田さんは書家に師事しています。きちんと習字を習っていたわけです。習字ではありませんが、画家のピカソの絵を見て、「これは幼稚園児でも書ける。」という人がいますが、とんでもありません。下にピカソの14歳の時の絵を載せておきましたが、これを見てください。素晴らしい技術の持ち主なのです。わたしは多くの画家の絵を見てきましたが、青年の頃(20歳まで)の絵が下手な画家はほとんど見たことがありません。きちんとした技術の裏付けがあってこそ、大人になって独自の絵の世界を確立することが出来たのです。
番組で紹介された天才少年ですが、もし書道展に出品するとしたら、入選すらもしないと思います。何故なら基礎が出来ていないからです。海外の展覧会で賞をもらったのは、習字としてではなく絵画として評価されたからではないでしょうか。
この少年の感性には素晴らしいものがあると思います。それは伝わってきました。ただ、今のうちにきちんとした習字を習っておかなければ、大人になる頃にはただの人になってしまうのではないでしょうか。感性だけでやっていけるのは子供のうちだけです。テレビを見ながらそう思いました。